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サントリーがサッポロを逆転 [ビジネス一般]

ビール業界にとっては,歴史的な大ニュースかもしれません。

ご存じのとおり,日本にはビールメーカーが4社あります(正しくは5社かもしれませんが,オリオンはアサヒ傘下になっているので除外)が,万年最下位だったサントリーが,ついにサッポロを抜いて3位に浮上したようである,とロイターが報じています。

【ロイター】 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-31814020080515

ビール業界は非常にユニークで,確かに4社なのですが2強2弱がそれぞれのカウンターパートを相手にガチンコ対決をしています。アサヒとキリンは業界王者としての覇権かけた戦いですが,サッポロとサントリーは別の意味で緊張感溢れる戦いです。

さらに言えば,サントリーのビール事業は1963年の参入以降,一度も黒字化したことがない事業でした。プレミアムモルツが近年好調だったこともあり,昨年度は初の黒字化が目前だったのですが,「目先の黒字化にこだわってはいけない」という社長の一言で,さらなる販売拡大のための広告宣伝費を大量投入したため実現できませんでした。

そんな黒字化の誘惑を蹴ってまで投入した広告費の効果でしょうか。念願の3位浮上を果たしたというのです。

ただ記事にもあるように,この業界では四半期ごとにしか正確な数字を発表しないので,まだ「瞬間風速」で終わる可能性はあります。また1社だけ価格を据え置いた影響が大きいのかもしれません(しかしそれも立派な戦略です。横並びこそおかしな話です)。それでもこれは快挙と言えるでしょう。

一部では,非上場企業ならではの赤字事業の継続であり,それが単年度黒字になったから,シェアが3位になったからといってどないやねん,という声もあります。しかし,会社経営には「士気」も大切です。縮小均衡ばかりでは,社員のチャレンジ精神も削がれ,新しい成長の芽を見つけることができなくなってしまいます。

同社のビール事業は,ただ赤字を垂れ流していたわけではなく,商品や広告の新しい機軸を次々に打ち出してきました。今回のシェア逆転劇の主役ともいえるプレミアムモルツも,これまで日本ではニッチな市場でしかなかった高級ビールを一気に拡大させていきましたし,いわゆるビール系飲料の火付け役も担ってきました。負けても負けても挑戦し続ける,まさに「これでもか戦略」です。

サントリーは,ビール事業だけでなく,お茶でもこの「これでもか戦略」をとっています。これまで様々なお茶を企画・販売してきましたが,とうとう「伊右衛門」という爆発的な商品を生み出したのです。

非上場企業だからできること。そうやって片付けることは簡単です。しかし,サントリーの「これでもか戦略」に学ぶことは決して少なくないはずです。数字的な帳尻合わせに汲汲とするのではなく,前進し続ける姿勢こそが今の日本企業には欠けているような気がします。


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